VUメータードライブ回路の説明
回路図はこちらをご覧ください。
回路は、絶対値回路と、増幅及び平滑部から成ります。
■絶対値回路
1チャンネル当たり、2個のオペアンプで構成され、R20とR21の分圧で決まる電圧を基準として動作します。
←実際の波形です。電源は5V単一電源で、入力に1KHz 1Vrmsの信号(黄色)を入れ、オペアンプIC1C 8pinの波形(緑色)をモニターしました。
正弦波の上半分が下方向に折り返されたようになります。絶対値回路になっていますね。
画像で分かるように、波形は2.5Vを基準に下向きになります。
(後段の増幅部では、さらに反転増幅しますので、増幅後は上向きに変わります。)
この回路では、大きい信号が入ると0V方向に波形が伸びる様に動きますが、ダイオードの向きを変えると上方向になります。
また、絶対値回路は、高い周波数では波形が歪みます。
写真は5kHzと20kHzの時の波形です。5kくらいから歪みが目立ち始め、20kHzでは大きな歪みがありますが、VUメーターを駆動するには
問題ありません。
※絶対値回路に使っているオペアンプを、もっと高速なものにすると、この歪みは小さくなります。
■増幅・平滑回路
オペアンプ LMC662CN 1個で作る、差動増幅回路になっています。
※回路図のC4・C6が無い時の波形 、電源電圧は5V ( 出力電圧は、IC2の1ピンを測定 )
この回路では、絶対値回路が2.5V基準で動作しているので、それをGND基準に戻して、VUメーターをドライブさせるようにしています。
但し、回路ゲインは4.7倍ありますので、そのまま絶対値回路の出力電圧1.4Vppを4.7倍すると電源電圧5Vを超えてしまい、電圧はクリップしてしまいます。
※回路図のC4・C6がある時の波形
← そこで、フィードバック抵抗R8・R18に、コンデンサーを入れ 波形を積分することで波形のピークを抑えます。
もちろん電圧電圧が高ければ、時定数をもたせる必要はありませんが、メーターの振れ時間を調整するため、後で積分することになりますので、ここにコンデンサーを入れて滑らかにするのもありかと。。。。。
但し、現在は1000pを入れていますが、周波数が低いとやはりキレイに平滑出来ません。
この波形は 100Hzの入力で 上と同じ所を測定したモノですが、平滑がうまく行っていません。 20Hzになると、頭打ちしています。
もし、可聴域全てを カバーしようとすれば、0,01uFくらいのコンデンサーが必要です。あるいは、電源電圧を7V以上にしてください。
でも、僕が作ろうとしているのは、"なんちゃって"VUメーターなので気にしません。
1000pには、別の意味があります。
実際に0,01uFのコンデンサーで VUメーターをドライブすると、音楽にメーターの針の振れが遅れるように感じます。
これは、僕の感覚ですので 0,01uFでも動作はしますし、場合によってはコンデンサーを付けないでもメーターは振れます。
この辺は、各自の感覚で決めて下さいね。
■出力の半固定抵抗と固定抵抗について
このキットには、10kΩの半固定抵抗と固定抵抗が付いています。
僕が持っているVUメーターのフルスケール時の電流は500uAでしたが、それ以外にも200uAフルスケールのメーターもあるそうです。
お手持ちのメーターにあわせて抵抗を入れて下さい。
本来であれば、1Vrmsで0VU(100%)に合わせるのでしょうけど、僕はもっと大きく振らせるようにしています。
※販売ページはこちらです。